アップル(AAPL)の株価推移に見るハイテク株の悲しき宿命

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株価も好調なアップル(AAPL)への投資に関する話題です。最近では、以前に比べて本業で話題になる機会が若干減ってきているように思いますが、相変わらずアップルはハイテク株銘柄の一角として根強い人気を誇っています。

 

アップルと言えばバフェット銘柄としても有名ですね。バークシャー・ハサウェイとして初めてアップルを取得した2016年以降、段階的に買い増しを行っており、現在ではウェルズ・ファーゴを抜き時価総額ベースで14.63%を占めるポートフォリオトップシェア銘柄になりました。

 

そんなアップルも、ここ最近のiPhoneの販売に陰りが見えてきていることから、株価も踊り場を迎えつつあり、今後の株価の動きにも不透明感が漂い始めているため、アップル株の購入を検討している方やホルダーの方は、売買の是非を迷われている方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今日は、改めてアップルがこれまで描いてきた株価の推移を基に、アップルが持つ魅力とリスク、さらにはリターンを享受する上での注意点について、私なりの考えをご紹介してみようと思いますので、アップル株の売買に悩まれている方はご参考ください。

 

アップルの長期リターン実績

 

1988年以降の30年間という長期スパンにおける、配当再投資なしの設定でのパフォーマンスを調べてみると、アップル株の当時の評価額10,000ドルは、30年後の2018年には約111倍の1,118,533ドルにまで増えるほど、飛躍的な株価成長を遂げていることが分かります。

 

ピンと来ないかもしれない方のために円換算でシンプルに表現すると、30年前に購入した100万円分のアップル株が、放置していただけで1億円以上の価値に化けてしまったということです。たった100万円で憧れの億り人になることができるのですから、まさに夢のような話です。

 

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※portfoliovisualizer.comより抜粋引用


年率リターンで言えば、30年間年率平均で16.9%成長を続けたことになり、ベストイヤーに至っては1年で2倍以上に成長した年もあるなど、これらの指標だけで考えても、アップルはバフェットに限らず、大勢の投資家を虜にするだけの魅力を備えた銘柄だと言えましょう。

 

アップルのリターンチャートに見るこれまでの株価推移

 

さて、上記の通り過去実績だけで言えば、投資家に対して呆れるほど高いリターンをもたらしたアップルですが、株価的な話で言えば、決して順風満帆な時期ばかりではなく、実はこの30年間には他の銘柄以上に厳しい時期があったことをご存知でしょうか?

 

以下のグラフにおける青い折れ線(Portforio1)は、同じく配当再投資をしない設定における、アップルの株価推移とも言うべきリターンチャートですが、ご覧いただくとお分かりの通り、概ね折り返し地点にあたる、2003年までの約15年間もの長きにわたり株価が低迷し続けています。

  

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※portfoliovisualizer.comにて作成

 

具体的に言うと、1988年に投資したアップルの評価額10,000ドルは、15年後の2003年の7月末時点においても変わらず10,000ドルのままであったということです。私自身今回調べて初めて知ったことですが、予想を超える株価の低迷具合に正直なところ衝撃を受けました。

 

想像してみていただくとお分かりかと思いますが、株価が数か月間低迷しただけでも売却したり、糞株呼ばわりする投資家が現れることを考えると、恐らく当時アップルは市場からも酷評され、誰からも見向きもされない銘柄であったに違いありません。

 

もちろん「iTunes Store」を機に株価が大きく上昇し始める手前、つまり2003年7月に購入することができれば理想ですが、15年という長きにわたり低迷を続け、市場からも酷評されている状況にあるアップルを購入することは、かなり至難の業だと言えましょう。

 

今後における株価低迷の再来に対する覚悟の必要性

 

さて、話を過去から未来の株価に移してみます。上記のような暗黒の過去を持つアップルですが、2013年以降は多少の調整を経つつも株価も上昇を続けることとなり、現在ではすっかりパフォーマンスが期待できる人気銘柄の仲間入りをしていますが、今後についてはどうでしょうか?

 

売上の6割強を占める主力商材でもあるiPhoneの需要も既に一巡し、新規販売台数の伸びにも陰りが見えてきているほか、現時点ではiPhoneに代わり業績を担い得る製品がないことを考えると、今後の株価については決して油断できない状況にあるような気がします。

 

確かに、過去と同じような株価低迷時代が再来するとは限りませんが、絶対に起こらないとも言い切れないほか、アップルの事業は生活必需品と異なり、技術や製品が陳腐化、不人気化してしまえば簡単に業績が悪化する業態でもあるため、意外に可能性は高いとも言えます。

 

現在の状況を見る限りでは、スマートフォン自体がなくなることを想像することはできませんが、そもそもが技術を根拠として成り立つ製品である以上は、別の最新技術に置き換わる可能性は充分に考えられますし、スマートフォンがなくなれば、基本的にはiPhoneも多かれ少なかれ同じ運命を辿ることになります。

 

要するに、アップル株の購入にあたっては、華々しい111倍という光の一面だけを見るのではなく、影の一面でもある超長期株価低迷時代が再来するリスクに関しても、当然ながら覚悟した上で投資に臨む必要があるということです。

 

最後に

 

確かに、この30年間においてアップルは、大幅な株価上昇とそれに伴う高いリターンを実現してきました。しかし、それはあくまでも結果論でしかなく、実際にアップルのリターンをフルに享受できた投資家は、世界広しと言えどもほぼ皆無に近いのではないかと推測します。

 

なぜなら、仮に30年前にアップル株を購入したとしても、一般的には、数か月もしくは数年間株価が低迷した時点で売却してしまう可能性が高いほか、タイミング良く2003年に購入できたとしても、数十パーセントのリターンが出たところで利益を確定してしまう可能性が高いからです。

 

仮にそれが真実であるなら、先にご紹介したワーストイヤーやマックスドローダウンレシオからも分かる通り、高リスクばかりが先行することになり、実投資効率、つまりリスクに対する実リターンはかなり小さくなってしまいます。

 

いずれにしても、現在アップルを保有している又は今後購入を検討している方は、これまでの株価の軌跡を参考に、アップルの魅力とリスクを改めて確認した上で、投資可否についてご判断いただくことを是非ともおすすめします。

 

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