ソルティノレシオ(Sortino Ratio)は銘柄選びに使える便利なリターン効率指標

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金融商品の銘柄選びに活用できる便利な指標、ソルティノレシオに関する話題です。正直なところマイナーな存在で、ご存知ない方も多いかと思いますので、シャープレシオとセットで覚えておくことをおすすめすべく、今回改めて簡単にご紹介してみようと思います。

 

似たような指標にシャープレシオ(Sharpe Ratio)というものがあります。恐らくシャープレシオの方がメジャーな存在ではないかと思いますが、個人的にはどちらかというとソルティノレシオの方をより参考にしています。

 

というのも、ソルティノレシオを使うことで、一般的にリスクとリターンは連動すると言われている中で、より低リスクで高リターンが期待できる都合の良い投資対象を見つられる可能性を高められるからです。

 

そこで今日は、そんな投資家の都合の良い希望を叶える上で助けになるソルティノレシオについて簡単にご紹介してみようと思いますので、これまであまりご存知なかったという方は是非この機会にご参考ください。

 

計算式や目安も含めたソルティノレシオの概要説明

 

まずは、ソルティノレシオについての説明です。それ自体の意味だけでなく、計算式や目安となる値も含め、出来るだけコンパクトで分かりやすく解説してみようと思います。

 

ソルティノレシオとは、金融理論研究家のフランク・ソルティノ(Frank Sortino)さんという人が考案した、株式や投資信託などの金融商品について、評価額の下落リスクに対し、どの程度高いリターンが得られているかを表す指標です。

 

リスクが高ければその分高いリターンが得られるのは当たり前で、投資家の力の見せ所は、下落リスクあたりのリターンをいかに高められるかという点にあると言えます。そして、それを可能にするためのデータツールが、まさにこのソルティノレシオというわけです。

 

おそらく、実際に計算する場面はほとんどないかと思いますが、理解を深めるために計算式についても参考までにご紹介しておきます。基本的にソルティノレシオは以下の計算式で算出することができ、結果の数値は大きければ大きいほどより優れていることを意味します。

 

ソルティノレシオ =(金融商品のリターン - 無リスク資産のリターン)÷ 下方偏差

 

金融商品の種類や期間などのコンディションにもよるため一概には言えませんが、理想とする目安はやはり1.0以上といったところでしょう。ただ、現実的には相対評価になるような気がするため、この目安にはそれほど拘る必要はないように思います。

 

この計算式に出てくる無リスク資産とは、分かりやすく身近な例で例えるなら、債券などの元本割れのない金融商品のことを指します。つまり、リスク商品の純粋なプラスアルファのリターンを算出するために、無リスク資産分を差し引く計算プロセスだということです。

 

ちなみに類似した指標のシャープレシオ(Sharpe Ratio)は、この式の「下方偏差」という部分が「標準偏差」に置き換わり、下振れ(値下がり)だけでなく上振れ(値上がり)についても、リスクとしてカウントする点がソルティノレシオと異なっています。

 

個人的には、評価額が上振れする分にはいくら上がってくれても嬉しいだけで困ることはないので、私がシャープレシオよりもソルティノレシオの方を参考にしていると冒頭で書いたのは、そういった理由からでした。

 

具体例を使ってソルティノレシオの理解を深めてみる

 

それでは、もう少し理解を深めるべく、ソルティノレシオの具体例をご紹介してみます。データソースは全て(Portfolio Visualizer)、例として使用するのは、優れたパフォーマンスで有名なアップル(AAPL)とアマゾン・ドットコム(AMZN)、そしてディフェンシブ銘柄のチャーチ・アンド・ドワイト(CHD)の3銘柄のデータです。

 

以下は、上記3銘柄の約20年間のリターンチャートで、Portfolio1がアップル、Portfolio2がアマゾン・ドットコム、Portfolio3がチャーチ・アンド・ドワイトを表しています。ご覧の通りリターンだけで言えば、アップル>アマゾン・ドットコム=チャーチ・アンド・ドワイトです。

 

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それでは続いて、今日の本題でもあるソルティノレシオについても同じ期間について確認してみましょう。以下は、上記3銘柄について、ソルティノレシオも含めた主要なパフォーマンス関連の指標を書き出した表になります。

 

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結果はご覧の通り、チャーチ・アンド・ドワイト>アップル>アマゾン・ドットコムと、チャーチ・アンド・ドワイトのソルティノレシオが、アップルのそれに対して1.15倍、ほぼ同じ水準であったアマゾン・ドットコムに対して1.6倍と大きく上回っています。

 

つまり、単純にリターンだけでなく下ブレの大きさが影響しており、アップルについて言えば、確かにリターンは大きかったものの、それ以上に下振れ幅がチャーチ・アンド・ドワイトに比べて大きかったということです。上記Max. Drawdownの数値を見れば、何となく想像いただけるはずです。

 

この事例だけで単純に銘柄選びをするならば、リスクは関係なく少しでも高いリターンを得たいチャレンジングな方にはアップルがおすすめ、より低リスクで効率良くリターンを得たいという堅実な方にとっては、チャーチ・アンド・ドワイトがベストな選択だということになりましょう。

 

銘柄選びの参考指標にはソルティノレシオがおすすめ

 

以上、ソルティノレシオについて簡単ではありますがご紹介してみました。今回ご紹介した例は、あくまでも理解を深めることを目的とした限られた期間におけるデータであり、期間が変われば数値も変わってくるため、参考にされる際はくれぐれもご注意ください。

 

いずれにせよ、巷ではシャープレシオが一般的でメジャーな存在ではありますが、マイナス面のみを活用しているという点を踏まえると、実際に私達投資家のニーズをより満たしている指標は、今日ご紹介したソルティノレシオの方ではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

個人投資家が大切な身銭を切って投資するからには、可能な限りリスクを抑えながら効率良くリターンを追求しなければなりません。これまでソルティノレシオをご存知なかった方は、この機会に今後の投資対象選びに活用いただくことを、是非おすすめします。

 

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