長期投資におすすめの米国株(アメリカ株)銘柄の条件は結局この2つしかない
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長期投資に適したおすすめの米国株(アメリカ株)銘柄の条件についての話題です。あくまでも長期投資が前提ですが、米国株に限らず、ある意味確実に高いリターンが期待できる銘柄に共通する原理原則だと言えます。
これまでも、様々な専門家や米国株投資家が発信してきた馴染みのある話題ではあるものの、残念ながらおすすめ理由が具体的でなかったり、専門的で難しかったりするものも多く、銘柄選びに苦慮してしまう米国株初心者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今日は、株式投資を始めて間もない初心者の方でも分かりやすいように、長期投資先としておすすめの米国株(アメリカ株)銘柄の条件について、できる限り具体的かつシンプルな形でご紹介してみようと思います。
長期投資に適したおすすめの米国株(アメリカ株)銘柄とは
このテーマにおける前提としては、数多くの米国株投資家から絶大な支持を得ているジェレミー・シーゲル氏が、著書「株式投資の未来」の中で唱えているように、あくまでも長期的にはキャピタルゲインではなく、配当がリターンの大半を生みだすという説を正と仮定します。
1871年から2003年にかけて、インフレ調整ベースで、株式の累積リターンの97%は、配当再投資が生み出してきた。値上がり益が生み出した部分は3%にすぎない(「株式投資の未来」より引用)
それが事実であるならば、端的には長期的に株主が受け取る配当金の総量が最大になる企業が、最もおすすめすべき銘柄だと言うことができましょう。但し、ここで注意しなければならないのはその期間です。なぜならば、数年単位なのか数十年単位なのかで配当金のランキングも変わってくるためです。
つまり言い換えると、数十年レベルの長期スパンにおいて、できる限り高水準かつ長く配当金を払い続けられる米国株(アメリカ株)が、長期投資先としておすすめの銘柄だということになりますが、それでは具体的にそれはどのような銘柄なのでしょうか?
長期投資向けの米国株(アメリカ株)銘柄に共通する2つの条件
細々言い始めるときりがなくなりますが、上記のような長期投資に適した銘柄に備わっているであろう条件とは、結局のところ以下にご紹介する2つ、つまり利益(フリーキャッシュ)と株主還元度合いに集約されると言えましょう。
①高水準な利益が長期的に継続すること
当然ながら、どのような銘柄であっても配当金の原資は利益であるため、いくら売上が大きくても、あるいは急激に売上が成長していても、利益が少ないもしくはマイナスの状態の銘柄では、そもそも長期投資の対象としておすすめすることはできません。
しかも、単に利益があるだけでは不十分であり、実際に配当金をキャッシュという形で株主に支払う必要があるため、利益の中でも制約のない自由度の高い利益、つまりフリーキャッシュをできる限り多く確保可能な銘柄であることが重要です。
フリーキャッシュの程度を決める要素が何かと言えば、借入の返済、事業を継続する上で発生する設備投資など、事業を営む上で必要になるコストの金額であるため、それらをできる限り必要としない事業を営む銘柄を選ぶのが良いということになりましょう。
例えば、130年以上もの長い間変わらない商品を売り続け、変える必要がないが故に無用な設備投資を必要としない低コスト事業の代表格、コカ・コーラ株を通じて呆れるほどの財を手に入れたウォーレン・バフェットも次のような名言を残しています。
成長に大量の資本を必要とするビジネスと、成長に資本を必要としないビジネスとでは天と地ほどの差が存在する(ウォーレン・バフェット)
家計で考えるとより分かりやすいかもしれません。どんなに年収が高くても、必ず発生してしまう家賃、ローン、食費などの必要経費が人並み以上に多ければ、自由に使えるお金がほとんど残らないという状況になってしまいます。
また、フリーキャッシュが潤沢であっても、その状態が短期間しか持続しないようでは、長期スパンにおける配当金の絶対量が増えないため、フリーキャッシュが潤沢な状態を長期的に維持し続けられるか否かも同時に重要なポイントだと言えます。
要するに、長期投資先としておすすめの銘柄は、利益の源泉となる事業自体が設備投資などのコストをあまり必要とせず、しかも景気や時代の移り変わりなどの外部環境に左右されづらい、所謂生活必需品を提供する事業を営んでいる必要があると言えましょう。
②株主還元に積極的な経営方針を持つこと
配当金の原資であるフリーキャッシュが潤沢であるだけでは、実のところおすすめの銘柄としては十分とは言えません。というのも、例え潤沢なフリーキャッシュを確保できても、それを株主還元に使わない銘柄では、株主にとっては何の意味もないからです。
では、十分な利益およびフリーキャッシュを稼ぐことができていながらも、株主に配当として還元しない場合というのがどのようなケースかと言うと、考えられる代表的なケースには主に以下の2つのパターンが挙げられます。
一つ目は、そのキャッシュを新規事業に投資してしまうパターンです。アマゾン・ドットコムをはじめとしたグロース株などに見られるように、配当金として還元する代わりに新規事業に対して投資することで、さらなる事業の成長につなげようとする形です。
そしてもう一つは、内部留保にまわしてしまうパターンが挙げられましょう。徐々に変わりつつあるように思いますが、いまだに日本株における内部留保を重視する姿勢は健在であり、利益を生んでいてもそれを配当金として還元せず、内部留保としてストックする形です。
先日財務省が発表した2016年度の法人企業統計を見ても明らかで、企業が得た利益から株主への配当などを差し引いた利益剰余金(金融業、保険業を除く)は、前年度よりも約28兆円多い406兆2348億円と過去最高を更新しています。
つまり、フリーキャッシュが潤沢であることに加え、経営方針としても配当金をはじめとした株主還元に対して積極的な姿勢を持つ銘柄か否かも、長期投資先としておすすめに値する銘柄か否かを判断する上では、フリーキャッシュと同じかそれ以上に重要な意味を持つということです。
個人的におすすめの米国株(アメリカ株)24銘柄のご紹介
掻い摘んで言えば、上記の2つの条件を共により高いレベルで満たすであろう米国株(アメリカ株)が、長期投資の対象として価値が高いおすすめの銘柄ということになりますが、それでは具体的にそれはどのような銘柄なのでしょうか?
ここ最近、著名投資家だけでなく、個人投資家にも人気の高い、アマゾン・ドットコムやアルファベット、さらにはフェイスブックなどの成長著しく注目度の高いグロース株などは、おすすめに値する銘柄だと言えるでしょうか?
残念ながらそうは思いません。というのも、これらの銘柄群は配当金を払わずに事業投資を優先する傾向にあるほか、常に変化に乗り遅れることなく技術革新を続ける必要があるなど、栄枯盛衰が激しい世界でもあるため、長期的な利益の継続性に難しさを感じるからです。
それでは、配当金が重要だとするならば、高配当ディフェンシブ株として有名な通信セクターの代表格、AT&Tやベライゾン・コミニュケーションズについては、今日ご紹介したおすすめの銘柄の定義に合致するでしょうか?
確かに、高配当株であるという点では要件は備えているものの、これらも当てはまるとは思いません。なぜなら、通信事業は常に多額の設備投資が必要であり、長期的に生み出されるフリーキャッシュの絶対量が相対的に少なくなる可能性が高いからです。
それでは、どのような銘柄が長期投資先としておすすめなのかと言うと、私のポートフォリオにも表現されている通り、フリーキャッシュと株主還元という2つの条件を共により高いレベルで満たすであろう、生活必需品やヘルスケアセクターに属する米国株(アメリカ株)だと考えます。
中でも、最もおすすめの株を敢えて選ぶとすれば、やはり長期投資の対象として必要な要素を高いレベルでバランス良く備えていると考えられる、優等生的存在のプロクター・アンド・ギャンブルでしょう。何よりもこれまでの歴史が全てを物語っています。
もちろん、プロクター・アンド・ギャンブル以外にも、長期投資に耐え得るおすすめの米国株(アメリカ株)銘柄は多数存在しています。それでは、中でも特におすすめしたい有望株を以下に紹介してみようと思いますので、この機会に併せてご参考ください。
(順不同)
【K】ケロッグ
米国食品メーカー。主にシリアル、クッキー、クラッカー、焼き菓子、シリアルバー、フルーツスナック、冷凍ワッフル、ベジタリアン向け冷凍食品などを扱う。主要製品は「ケロッグ」「プリングルス」など。
【KMB】キンバリー・クラーク
米国の日用品メーカー。紙おむつ、小児・水泳用の紙パンツ、生理用品、失禁用衛生用品、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどを扱う。主要製品は「ハギーズ」「クリネックス」「スコット」など。
【HRL】ホーメル・フーズ
【ABBV】アッヴィ
米国の医薬品メーカー。アボット・ラボラトリーズから研究開発医薬品部門が分離独立。主要製品は「ヒュミラ」「ヴィキラ」「インブルビカ」など。シーゲル銘柄。
【BMY】ブリストル・マイヤーズ
米国の医薬品メーカー。鎮痛剤「バファリン」で有名。現在は新薬開発が事業の軸。主要製品は「オレンシア」「エリキュース」「オプジーボ」など。シーゲル銘柄。
【JNJ】ジョンソン・アンド・ジョンソン
米国の医療品・医療機器メーカー。新薬や消費者向け製品に加え、医療機器事業にも強く世界首位を誇る。主要製品は「バンドエイド」「リステリン」「インボカナ」「ステラーラ」「レミケード」など。
【ABT】アボット・ラボラトリーズ
米国の医薬品・医療機器メーカー。栄養食品やエスタブリッシュ医薬品に加え、セント・ジュード・メディカルの買収により医療機器事業が主軸に。主要製品は「シラミック」「ペディアシュア」など。シーゲル銘柄。
【MDT】メドトロニック
米国の医療機器メーカー。主に心疾患、糖尿病などの慢性疾患向けの各種医療機器や手術支援システムを扱う。ペースメーカーでは世界首位。中でも電池式体外型心臓ペースメーカーに強み。
まとめ
確かに、短期的には株価は需給で決まるため、人気の有無により大きく左右されるものの、長期的には、外的環境に左右されない着実な事業とそこから生み出される利益、さらには積極的な株主への還元姿勢が重要な鍵を握っている、というのが今の時点での私の見解です。
その意味で、今日ご紹介したおすすめの米国株は、投資の醍醐味とも言えるキャピタルゲインが期待できない極めて退屈な銘柄群ではあるものの、過去の実績を見る限り将来的には呆れるほどのリターンを生むことが期待できる、おすすめの銘柄群だと言えましょう。
冒頭でも挙げた長期投資家のバイブル、ジェレミー・シーゲル氏の著書「株式投資の未来」で紹介されている銘柄も多数含まれていますが、今のところこれ以上長期投資に適した魅力的な銘柄群はありませんし、おそらくこの先も当分出てくることはないでしょう。
米国株(アメリカ株)への長期投資をこれから始めようとしている親しい初心者の方が、具体的な銘柄についてアドバイスを求めてきたとしたら、皆さんであれば、どのような点に注目し、具体的にどのような銘柄をおすすめしますか?