米国企業における株主還元の位置づけに関する実態

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米国企業の株主および株主還元を重要視する類い稀なるカルチャーについて実体験をもとにご紹介してみようと思います。現時点で米国株に投資していない方はこの機会に是非ご参考ください。

 

実を言うと、私は現在までの十数年間、具体的な名前は明かせませんが、米国株投資家であれば誰でも知っている、アメリカを代表する老舗大手金融機関の日本法人に勤務しています。これほど長く勤めるつもりはありませんでしたが、知らない間に時間が経過してしまいました。

 

完全に外資ではありますが、一応組合らしきものも存在するほか、基本的に日本語だけで仕事ができるなど、外資に対する世間一般のイメージとは異なり、社内の雰囲気は意外にも日本企業とさほど変わりません。

 

ただ、特に表立って言われることはありませんが、仕事上英語は必須ではないものの、実際には昇進していく上では必須だと言えるため、出世していく人間は大半が帰国子女などの英語が堪能な人間です。本国の外国人と意思の疎通が取れないようでは話にならないのである意味仕方ありません。

 

そのためか、上層部にいる日本人について言うと、英語こそ堪能ではありますが、一般的に仕事ができる人間かと言えば必ずしもそうではないため、仕事ができても英語ができない従業員の間では、かなり不満の種になっています。

 

さて本題ですが、先ほど書いた通り、見えている社内の雰囲気は限りなく日本企業に近いものの、経営の仕方に関しては日本企業とはかなり異なります。とにかく、株主や株主還元に対する経営陣の重視の度合いやその存在感が、日本企業のそれとは比べ物になりません。

 

実際に、株主に約束した株主還元、例えば配当や自社株買いの費用を捻出するためであれば、既に実施途中のプロジェクトなど、いとも簡単に取り止めになりますし、採算の悪いビジネスは躊躇なく中止または売却されるため、社員はたまったものではありません。

 

さらには、絶えず株主還元の原資を確保すべく、毎年のように業務効率の改善が求められますし、人減らしを求められることも少なくないため、その意味では逆に私自身もいつ職を失ってもおかしくない状況に置かれていると言えます。

 

ただ、これもある意味仕方ありません。というのも、株主を軽視すると経営陣の首が飛ぶからです。株主からは、常に直接間接問わず経営陣にプレッシャーがかかっており、仮に失態を犯してしまうと、本国のCEOでも簡単に辞任に追い込まれます。本当に前置きもなくアッサリとです。

 

日本企業の場合、株主の位置づけ自体が米国とは異なり、株主還元に関してもどちらかと言えば「経営の状況が良ければ出しますよ」といったニュアンスに近いため、日本企業で同じような状況はおそらく起こり得ないでしょう。

 

過去の実績からも米国企業が株主還元に積極的なカルチャーを持つことは分かりますし、広く一般的にも言われていることですが、中にいる私からすると、積極的とかいうレベルではなく、米国企業にとって株主還元は最重要経営課題です。

 

無配当企業ではそれほどでもないのかもしれませんが、特に配当王や配当貴族などの連続増配を長年継続している老舗米国企業について言えば、タイプこそ違えど多かれ少なかれ同じ状況、というより私の会社よりもはるかに重視されているのではないかと推測します。

 

以上のような経験を経た上で、最終的に私が出した答えは、 “ 米国企業は働く先ではなく投資する先である ” というものであり、実際にその考え方が現在私が行っている銘柄選びに直接的にも間接的にもつながっていると言えます。

 

立場的にもこれ以上具体的な話はできませんが、いずれにしても米国企業は、株主にとってこれ以上ない魅力的な株主還元重視のカルチャーを持っていることに違いないため、この機会に米国株銘柄への投資について検討されてみてはいかがでしょうか?

 

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