相性の良い米国株(アメリカ株)銘柄に関するまとめ記事を書いてみる
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長期的なリターン観点における、相性の良い米国株銘柄の組合せに関するまとめ記事です。先日の記事で、シナジー効果を生む銘柄の組合せに関する成功例を参考までに1組だけご紹介しましたが、実は他にも相性の良い組み合わせは多数存在します。
しかしながら、私の知る限り、そういった相性の良い銘柄の組合せが紹介されたまとめ記事や、スクリーニング機能を使って抽出してくれるような情報サイトが皆無に等しいため、興味深いテーマでありながらも手軽に調べることが難しい状況にあると言えましょう。
そこで今回、私が個人的に備忘録として記録しておいた、相性の良い銘柄に関する情報をご紹介すると共に、今後も発見する毎に随時アップデートして行くことを前提としたまとめ記事ページを作成することにしました。
まとめ記事と言いながらも、現時点ではご紹介できる組み合わせ数は限られていますが、個別株ポートフォリオにおける相性の良い銘柄選びの参考として定期的にご活用いただける記事ページに、気長に育てて行きたいと思います。
相性が良い銘柄とは
本まとめ記事で扱う相性の良い組み合わせとは、長期スパンにおける年率リターン(CAGR)の向上だけにとどまらず、リターン効率を示すシャープレシオ(Sharpe Ratio)も同時に向上するという、2つの条件を同時に満たすことを指しています。
したがって、組み合わせることで年率リターンが大幅に改善したとしても、シャープレシオが下がってしまうような組み合わせは、ご紹介する対象にはならないため予めご了承ください。
それでは早速、30年という長期スパンにおける、配当再投資を前提としたバックテスト結果を通じて判明した相性の良い銘柄の組み合わせを順を追ってご紹介します。
同業種同士の組合せ
まずは同業種編のご紹介です。その名の通り、同じ業種の銘柄を組み合わせた際に相性が良くなる事例をご紹介します。同業種ということで、一般的には個別銘柄リスクの分散を目的として投資されるケースが多いのではないでしょうか?
しかしながら、ここでご紹介するペアに50%ずつ投資することで、個別銘柄リスクを分散できるだけでなく、年率リターンだけでなくリターン効率をも向上させることができるなど、もしかしたら一石三鳥も期待できるかもしれません。
①ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)&ファイザー(PFE)
言わずと知れたヘルスケアセクターの雄同士の組合せです。共に元々13%台と高い年率リターンを残していますが、2種に均等投資することで、14%を超える高リターンに改善します。さらに、シャープレシオに関しても、2銘柄を組み合わせることで0.65まで向上します。特許切れのリスクもあるため、このセクターに関して言えば、単独よりも2種がより無難かつおすすめです。
②マイクロソフト(MSFT)&アップル(AAPL)
ハイテクグロース銘柄の雄同士の組合せです。マイクロソフトが21%、アップルが17%と、桁外れの年率リターンを残していますが、組み合わせることで23%とさらに向上するだけでなく、シャープレシオも0.73と高いレベルまで引き上げられています。この30年で言えば、年率リターン、シャープレシオ共に、世界的に見てもトップクラスのパフォーマンス水準だと言えましょう。
③ペプシコ(PEP)&コカ・コーラ(KO)
続いて伝統的な飲料銘柄の雄同士の組合せです。これらの銘柄は、共に元々12%台と高い年率リターンを残していますが、2種にすることで僅かですが向上します。また、シャープレシオも同様に向上しています。良くも悪くも安定した元来の特性が、組み合わせた場合の改善効果を押し下げてしまっているのかもしれません。
④プロクター・アンド・ギャンブル(PG)&ユニ・リーバ(UL)
日用品銘柄の雄同士の組合せです。こちらの2銘柄に関しても、元々12%前後と高い年率リターンを残していますが、2種になることで僅かに向上しています。一方、シャープレシオも0.62まで改善します。上記飲料銘柄同様、他と比べるとこれらの銘柄の組み合わせ効果には若干物足りなさを感じます。
異業種同士の組合せ
続いて異業種編です。その名の通り異なる業種の銘柄を組み合わせた際に相性が良くなる事例のご紹介です。一般的に複数銘柄のポートフォリオを組む際は、異なる業種同士を組み合わせるケースが多いように思いますが、いかがでしょうか?
景気の浮き沈みのサイクルなど、外部環境の変化に伴い、業種毎に異なる影響が出てくるケースが多いため、それを踏まえた逆相関的な発想で上手く組み合わせることができれば、パフォーマンスを高められる可能性も高いと言えましょう。
①マクドナルド(MCD)&ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
異業種編のトップバッターは、外食産業とヘルスケアセクターの雄同士の組合せです。この2銘柄に関しては、元々13%台後半とかなり高い年率リターンを残していますが、2種にすることで14.53%とさらに改善します。しかも、シャープレシオも0.74と大きく向上しています。前述のハイテクグロース銘柄のペアほどではないものの、トップレベルだと言えるように思います。
②スリーエム(MMM)&プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
資本財と日用品銘柄の雄同士の組合せです。共に11%台後半と高めの年率リターンを残していますが、2種にすることで12.17%まで改善します。さらに、シャープレシオに関しても、0.63と比較的高い水準まで改善させることができています。年率リターン、シャープレシオ共に、インパクトには欠けるものの比較的良好な水準だと言えましょう。
③アルトリア・グループ(MO)&アップル(AAPL)
たばこ銘柄とハイテク銘柄の組合せです。共に17%台後半と、元々非常に高い年率リターンを残していますが、2種になることで、23.63%とさらに向上します。しかも、シャープレシオも0.82と、絶対値としても高いだけでなく、1.2倍以上と大きく改善しています。アップルとの相性は、前述のマイクロソフトよりもアルトリア・グループの方が良さそうです。
④U.S. バンコープ(USB)&ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
銀行銘柄とたばこ銘柄の組合せ例です。元々、共に14%前後とかなり高めの年率リターンですが、2銘柄を組み合わせることで、15%近くまで引き上がります。また、シャープレシオも0.66と、1.2倍以上改善させることができています。前述のアップルを含むペアほどではないまでも、十分魅力的なパフォーマンスだと言えましょう。
最後に
以上、再現性が期待できる事例ばかりではありませんが、基本的に株価は業績に連動することを踏まえると、 markethack.net より引用した以下の図のような景気や金利など、外部環境の影響によるビジネスの好不調のサイクルが上手く噛み合う銘柄同士の相性が、比較的良くなりやすいような気がします。
また、その業績(株価)面における相反する関係性、つまり好不調のアンバランスを活かし、リターンを補い合う上で重要になってくるのがリバランスであり、今回の事例で言えば、均等割合を維持すべく年に一度のリバランスを前提としている点も、忘れてはならない大切なポイントだと言えましょう。
いずれにしても、冒頭にも書いた通り、本まとめ記事についてはこれで完成ではなく、相性の良い銘柄の組合せ情報を充実させるべく、発見ベースにはなりますが、今後も随時新たな例を追記して行こうと思いますので、今後も定期的に覗いてみて下さい。